冠詞は日本語にないため日本人には、なかなか理解しにくい品詞です。代表的な冠詞といえば、「a」「an」「the」があるけど、英語をいざ話すとき、この冠詞を付けるのを忘れててしまうこともしばしばあるのではないでしょうか?
また、使わなきゃと思っていても、この場合は「a」なのか「the」なのか使い方がいまいちわからない・・・・。という方も多いのでは?
中学英語で習ったはずなのに冠詞をしっかりと使いこなせる日本人は少ないように思います。
しかし、英語において冠詞は非常に重要な役目を担っていることを、いま英語の勉強をしながら改めて知ることになります。それまでは、冠詞なんてあってもなくても同じだと思っていましたが、これは大きな間違いでした。
冠詞の「ある」「なし」、また使い方を間違えることで、相手に失礼になったり、不快な思い、誤解を招くことがあるからです。
自分の意図することを相手に誤解の無いように、失礼に当たらないように正しく伝える為には冠詞は必要不可欠なのです。
ここでは、英語の冠詞の使い分けが難しいと感じている方たちにも私と一緒に冠詞への理解を深め、英会話でしっかりと使いこなせるようにしていきましょう^^
Contents
「a」「an」(不定冠詞)の正しい使い方
「a」「an」は不定冠詞と呼ばれるように、不定、つまり特定しないモノに付けます。
「a」「an」の由来と使い分け
「a」「an」の由来は、「one」です。
one ⇒ an ⇒ a
(例)I eat one apple. ・・・ 1つという数を強調している
(例)I eat an apple. ・・・ 数多くある中から1つを取り出す
わざわざ一つと分かりきっているものを、oneと強調するとくどくなるので、くどさをなくして簡単に表現しようということでoneを軽く発音することで、anとなり、更に軽くしたのがaである。
りんごを食べる場合、いちいち1つを強調するとくどくなる。また、常識としてみんな状況を理解しているのでoneではなくanになる。
ただ、母音の前はaでは言いづらいことから母音の前だけはanを残すようになった。
「a」「an」を使わないとどうなるか?
単に「apple」と「an(冠詞)」を付けずに、「I have apple.」と言ったとします。
「apple」の前に冠詞を付けて「I have an apple.」とした場合、付けずに「I have apple.」とした場合、日本人には、違いがわからないので、どちらも「私はりんごを持っている。」と同じ意味と解釈するかもしれません。
ところがネイティブからすると、「I have apple.」と冠詞を付けずに言われると意味が通じません。確かに「りんご」だというのは解りますが、そのりんごが”どのりんご”を指しているのかが解らないのです。
冠詞を付けずに単に「apple」というと、それはりんごのカテゴリを指していることになります。
りんごにも様々な品種、大きさ、色、形のものがありますよね。つまり、単に「apple」と言うと、色んなりんごが集まった集合体「りんごというカテゴリ」を指すということを覚えておきましょう。
ですから、冠詞を付けない「apple」はりんごのカテゴリを意味し、「I have apple.」だと文法的におかしいので聞き手は理解できないのです。
冠詞を付けて「an apple」とすると、色んなりんごがあるカテゴリの中から適当に取り出された、選ばれた1つのりんごのことを意味します。だかた「I have an apple.」と言うと、数あるりんごのカテゴリの中から「適当に、また任意に選んだりんごを持っている」という意味になります。
「that」(定冠詞)の意味と使い方
定まったモノに付ける
「that」は定冠詞と言う名前のとおりまったモノに付けます。
that ⇒ the
きちんと支持して「アレだよ!」という場合はthat。
ところが、そこまで意識しないで、分かりきっているモノを指す場合は軽く発音することからtheを使う。
注意点としては、that、theともに何かを指定している、そして限定していること。これが重要。
つまり限定しているということは、話し手と聞き手の両方が指定したものに共通の認識を持っていることが必要。
(例)The earth goes around the sun.
地球、太陽は誰もが共通した認識を持っているためtheで良い。
(例)How can I get to the post office?
この場合のthe post office(郵便局)は、話し手と聞き手の両者が共通の郵便局を認識していることが必要。
例えば、あなたが、ある街に行って郵便局の場所を尋ねる場合、その地域に郵便局が1箇所しかない場合はtheを使う。
もしいくつものの郵便局がある場合は、どの郵便局の所在地を聞いているか聞き手は限定できないのでtheは使えない。
つまり、How can I get to the post office?と聞いた場合は、話し手は、この街には郵便局が1つしかく、その郵便局のことだという前提で聞いている。
そして聞き手も、その郵便局だなということがわかっている。つまりお互いに郵便局に対して共通の認識を持っているので会話が成立する。
ところが、その街に郵便局が1つではない場合は、相手はどの郵便局のことを聞いているのかわからないため、
聞き手はWhich post office do you mean? we have two post office here.「どの郵便局のことですか?ここには郵便局は2つありますよ!」と必ず聞き返すことになる。
「the」の2つ意味と使い方
前述したように、「the」はもともと「that」から由来しているように定冠詞になります。
つまり「the」は特定したモノ、限定したモノの前に付ける冠詞です。そして「the」には大きく分けて、「文脈的共有」「指示的共有の2つの意味があります。
具体的に見ていきましょう^^
文脈的共有としての意味
会話をしていて、その文脈(会話の流れ)からお互いに分かる、共有すること、モノに対して付ける
【1】先行状況の共有をしている場合
(I bought a cat.) The cat always makes me comfortable.
すでに、猫の話題を話していて、お互いにその猫が「あの猫のことだな」という共通認識を持って話している場合。
【2】指定可能であることを予期する場合
The man I’m going to introduce to you is …..
この場合は、The man と言われても相手は分かりません。「どんな人だろう・・・」という期待感と、その答えを待ちながら相手は聞いている。これは推理小説でよく使われる。
例えば、He saw the man.と言われると、相手は「え?どんな人を見たの?誰を見たの?」と、話し手の話題に興味を持って聞いてくれる。引き込まれる。
だから推理小説などでは、この手法はよく使われるが日常会話で使うと「え?誰のこと?」となり相手に誤解を招くので、あまり使わない。
指示的共有としての意味
Look at the car across the street.it’s a Mustang.
(交差点の車を見て!あれマスタングよね!)
つまり、その車が「あの車」のことを指し、交差点も「目の前にある、あの交差点」だということが分からなければいけない。
例えば・・・・
Go into the room.という場合は目の前に1つの部屋しかなくて、お互いが「あの部屋」という共通認識を持っていることが前提。
Open the window.
Open that window.
この違いとは・・・・
Open the window.という場合は、話し手と聞き手の目の前に窓があり、お互いが、あの(その)窓であるという共通認識を持っている。
ところが、お互いの前に1つの窓しかないにも関わらず、Open that window.とtheではなくthatを使う場合は余分な意味が入ってくる。
聞き手は「the window」で良いはずなのに、なぜ敢えて「that window」と言ったんだろうと考える。
考えられることは、「開けろって言ってんだよ!その窓を!」と怒っているか、「分かってる?窓だよ!窓!」と感情的になっている状態だということ。
したがって、theとthatの使い方を間違えると、相手に命令的で威圧的な態度を感じになり、不愉快にさせたり失礼にあんることがあるので、
使い方には注意が必要。
まとめ・復習
以上、「a」「the」「that」それぞれの意味、由来、そして使い分けについて学んできましたが、最後に簡単におさらいしておきましょう。
以下に「窓を開けて欲しい」時を例に出して、「a」「the」「that」それぞれを使った場合の意味と聞き手が受ける印象の違いを復習してみることにします。
①Open the window.
②Open that window.
③Open a window.
①あの窓を開けて(特定された窓)
②あの窓を開けろ(thatは指示代名詞なので”命令口調”になる)
③(どの窓でもいいから)窓を開けて
このように「たかが冠詞、されど冠詞」ですよね。どの冠詞を使うかによって意味合いは大きく変わってくるの、「a」「the」「that」の意味と使い分けはしっかりと覚えておきましょう。